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パワーストーンで癌になった恋人を癒したい

私が彼を好きになったのは、とても暑い夏の日でした。
彼と私は家が近所でした。
そのせいか、幼い頃はよく一緒にその辺の山を一緒に駆けずり回っていました。
でも成長するにつれ、あまり彼とは話をしなくなりました。
お互いを意識していたのか、でもどうやって自分の気持ちを伝えればいいのか、私はよくわかりませんでした。
私はずっと彼が好きだったのに、私は自分の気持ちを素直に認めず、彼から離れていきました。
私は東京で姉と暮らしながら、一人前の美容師になることを目指して働いていました。
私は仕事をするのはとても楽しく、月日がすぎるのをとても早く感じました。
それでも悲しい出来事はありました。
大好きな祖父が肺炎で亡くなったことでした。
私が一人前の美容師になるのを心待ちにしていた祖父が、私の前からいなくなってしまったのは、とても寂しいことでした。
その年は祖父の新盆となるため、私は休暇を取り、姉と二人で実家へ帰りました。
電車の窓から流れる景色を見ていると、私は自分が東京で夢中に過ごしてきた時間が夢のような気がしました。
流れる景色から、今までの私の過去の記憶が甦ってきました。
そういえば、あいつ、どうしているのかな。
私はふと、彼の顔を思い浮かべました。
久し振りに実家に帰った私は、仏壇の前で祖父に手を合わせました。
祖父の遺影は、私に微笑んでいるようでした。
私は祖父の好きだった野の花を摘みに、ふらりと出かけました。
カエルや蝉が鳴く通りを過ぎた頃、急に雨が降ってきました。
ずぶ濡れになった私の前に現れたのは、大人になった彼でした。 彼も私と同じように傘を持たず、雨にひどく打たれていました。
私は、あの、とだけ言い、彼もまた、やあ、とだけ言いました。
でも私と彼が見つめあった時に、なぜか彼の存在そのものをとても近くに感じたのです。
私達は神社で雨宿りをして、お互いの色々な話をとりとめもなくしていました。
でもそれは、時間が経つのを忘れるぐらいに楽しい会話でした。
雨はまだ激しく降っていました。
会話が途切れて、私達はお互いを見つめあいました。
すると私は、濡れたシャツが彼の体に張り付いて、彼の胸が動いているのを見ました。
私がはっとして自分の体を見回すと、私も彼と同じように濡れたシャツが張り付いて、私の胸が動いていました。
次の瞬間、私は彼の胸に飛び込み、私と彼はしっかりと抱き合ったのです。
私と彼が、恋に落ちた瞬間でした。
お盆の間、私達は毎日のように会い、お互いを求めました。
やがて私は東京に帰る日が来て、彼との再会を約束して別れたのです。
でもそれは私にとって、辛い日々の始まりでした。
彼は、病気で入院しなければならなかったからです。
彼の病気は癌でした。
そのことを知った私は、すぐに病院に駆けつけようとしました。
でも彼が拒絶しました。
彼は私にひどい姿を見せたくなかったのです。
彼は私のことがずっと好きで、でもそれを伝えられずにいたそうです。
でも入院する前に私に会って、思いを伝えたかったのだということを、私は後から知りました。
私は少しでも彼の力になりたくて、私の大切にしていたお守りのパワーストーンを、手紙に添えて彼に送りました。
手紙には、あなたに会いたい、声を聞きたい、と必死の思いで私は書きました。
どうか彼が良くなりますように、私は強く願いました。

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